司法書士の裁判所提出書類作成の権限とその範囲。契約書類の作成も当然可能?!

今回は、司法書士の裁判所提出書類作成の権限とその範囲について、解説します。

令和元年司法書士法改正と司法書士の法律判断権については、こちら

 

司法書士の裁判所提出書類作成とその歴史

司法書士といえば、不動産や会社の登記手続きや債務整理のイメージが強いかと思いますが、明治5年に司法書士(旧の代書人)の制度が始まったときは、裁判所に提出する訴状を作成する職能として出発しました。

その後、大正8年に司法代書人法が制定されたときには、司法書士は、裁判所又は検事局(今の検察庁)に提出する書類を作成することを業とすることが規定されています。

つまり、司法書士は、裁判所に提出する書類の作成が本来業務であると言えるのです。

 

司法書士の裁判所提出書類作成の業務範囲

平成14年の司法書士法改正で、司法書士に簡易裁判所における訴訟代理権が付与され、140万円以下との制限が付いたものの、弁護士と同様の代理ができることとなりました。

この「140万円以下」という制限のイメージが独り歩きし、司法書士が対応できる裁判業務は140万円以下であるとの誤解が広がっているように思います。

 

司法書士の本来業務である、裁判所に提出する書類の作成については、金額の制限はなく、仮に訴額が1億円の訴訟であっても、書類を作成することは可能なのです。

また、裁判所に提出する書類であれば、簡易裁判所に限らず、地方裁判所、家庭裁判所、高等裁判所、最高裁判所のいずれも、提出する書類を作成することができるのです。

 

事件の種類にも制限はなく、民事事件、家事事件、行政事件、刑事事件、非訟事件などのいずれであっても、書類を作成することができます。

さらに、裁判所に提出する書類には、訴状や答弁書、準備書面など、訴訟提起後に作成する書類だけでなく、証拠書類の作成も含まれるとされているのです。(注釈司法書士法P136)

 

ただし、書類作成する中で、弁護士法に言う鑑定を行うことはできないので、司法書士が本人訴訟支援をするときは、本人に法的知識や取り得る選択肢を提示し、本人の意思決定をサポートし、そして、あくまで本人が自らの意思決定で訴訟を遂行する形を取ります。

 

裁判所提出書類作成と法律関係文書(権利義務に関する書類)の作成

裁判所提出書類の添付書面

訴訟を行うにあたり、訴状に契約書類や内容証明等を添付することは、当然のように起こります。

ですので、裁判所に提出する予定の契約書や内容証明等の作成は、当然に司法書士の業務です。

140万円を超える内容の内容証明郵便の作成や登記が関係しない契約書や議事録、協議書などの作成は、司法書士業務ではないと記載する行政書士さんのホームページを見かけますが、これは完全に誤りです。

 

では、法務局にも裁判所にも提出する予定のない、契約書や議事録、内容証明などの法律関係文書の作成は、司法書士の業務範囲内なのでしょうか。

令和元年の司法書士法改正の検討段階で、司法書士会連合会は、法律関係文書の作成を司法書士法に盛り込もうとしていました。

これについては、本来的に、司法書士は裁判所や法務局に提出しない権利義務に関する書類の作成も当然にできるので、あくまで、法律に明定する意味しかないと説明されていました。

 

裁判所提出書類の範囲と民事局長回答

その根拠は、大正11年3月2日の司法省(現在の法務省)民事局長の回答にあると考えられます。

当時、司法代書人法の改正を目指した活動が行われており、司法代書人法に「関連書類」の作成を追加することが、政府に要望されていました。

この「関連書類」というのは、裁判所や登記所に提出しない「権利義務ニ関スル諸般ノ契約書類」を指しています。

民事局長からは、「司法代書人ノ作成スル司法書類ハ、関連書類ヲ包含シアル」との回答があったのでした。

 

このことから、現在の司法書士の業務に、裁判所や法務局に提出しない契約書や議事録などの作成が含まれていると考えることは十分可能でしょう。

ただし、確定した判例が出ている訳ではないため、司法書士各自の責任において、業務を行うかどうかが判断されるものになります。

 

裁判所に提出する書類の作成や本人訴訟支援、契約書や議事録、協議書等の作成は、豊中司法書士ふじた事務所にご相談ください。

 

 

 

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