相続の生前対策について

決して他人事ではない相続の生前対策

決して他人事ではない相続の生前対策相続という言葉を聞いた時、まだまだ先の話で自分には関係ないと思われる方は多いのではないかと思います。もちろん、元気でいつまでも長生きできることは、本当に大切な事です。

しかし、人間である以上、誰しも死からは逃れることはできません。自分に万が一のことがあった場合、残された家族は相続に関する様々な問題に直面し、複雑な手続きを行なわなくてはならなくなります。

当事務所がご提案する生前対策は、残されたご家族を相続を原因とする紛争から守り、また、高額な税金の対策を講じることによって、少しでも多くの財産を残すために必要なものとなっています。

 

生前対策において考えるべき3つのこと

生前対策では、次の3つのことについて対策を講じていきます。

すなわち、①円満な遺産分け、②相続税対策、③納税資金の確保、です。

 

円満な遺産分けをするために

相続手続きで最も大切なことの1つは、どのように遺産分けをするか、です。

司法統計によると平成29年度は、裁判所での遺産分割事件が12,166件もありました。

また、事件の70%超が遺産総額5,000万円以下の事件となっています。

このように相続を巡る紛争は、決して他人事ではないのです。

 

争族となることを防ぐためには、適法な遺言書を作成しておき、遺産分けの方法を固めておくなどの生前対策が非常に有効となります。

また、遺言書の作成のほかには、信託を上手く利用して遺産の利用や相続をコントロールする方法もあります。

 

相続税対策とは

故人の遺産を一定の金額以上相続した場合、相続税を納めなければなりません。相続税の最高税率は55%であり、非常に高額となっていますから、相続税を節税するために様々な対策を講じることが重要になってきます。

税法上、無税で生前に贈与ができる様々な制度がありますから、これを利用して相続財産を減らしておくことによって納税額を抑えていきます。

また、相続税法上の控除枠を上手く使ったり、相続財産の税法上の評価額を下げたりする対策も非常に有効となります。

なお、節税対策は、税理士と共同して進めていくこととなります。

 

納税資金の確保について

相続税は、原則として、被相続人が亡くなってから10か月以内に納める必要があります。例えば、遺産が高額な不動産だけであった場合は、何らかの方法で納税する現金を確保する必要が生じてきます。10カ月以内に不動産が売却できれば何とかなりそうですが、間に合わないことも十分考えられます。

制度として延納や物納という方法もありますが、利子税が高額であったり、物納する資産の評価額が低くなったりとデメリットがあります。

相続税納税のために金融機関から融資を受けることもできますが、何とか避けたいものです。

対策としては、生前に生命保険に入っておくことで、納税資金の確保と節税を兼ねることができます。

故人が企業のオーナーの場合は、会社が自社株を買い取ることにより、納税資金を確保する方法もあります。

※税法上の判断については、税理士と共同して進めていくものとなります。

 

相続が争族とならないための対策~遺言書の作成と信託は司法書士へ~

上述しましたとおり、相続が起きた際に、相続人間で遺産の取得を巡って争いとならないようにするためには、遺言書の作成や信託の組成といった法的対策が非常に有効となります。

 

遺言書作成のメリット

まず、遺言ですが、子供のいない夫婦の相続で配偶者の兄弟や甥姪が相続人となる場合や、夫に前妻との子がいる場合など、法定相続人間での協議が難航することが予想されるような場合に、非常に有効となります。

遺言書を作成しておけば、どの遺産をどの相続人が取得するのか、あらかじめ指定することができます。つまり、相続発生後の遺産分割協議を省略できるという最大のメリットがあるのです。

もちろん、法定相続人以外の第三者(お世話になった友人や赤十字など)に、遺贈(遺言による贈与)をすることも可能です。

遺言書の作成によって、故人の遺志を実現することが可能となります。

 

ただし、兄弟姉妹を除く法定相続人には、遺産の取り分の最低限の保障である遺留分がありますから、これを侵害し逆に紛争とならないよう配慮して、遺言書を作成する必要があります。

遺留分の計算は複雑ですから、間違いのない遺言書の作成は、弊所の司法書士にご相談ください。

 

信託のメリット~認知症対策を例に~

相続対策としては、信託も有効な方法の一つとなります。信託は、遺言ではできない様々なスキームを組むことが可能です。

その中でも、最も典型的な信託の利用方法としては、認知症対策があります。

 

資産を持つ人が高齢となり重度の認知症になるなどして判断能力を喪失すると、その資産を売ったり贈与したり、投資したりするなどの法律行為ができなくなります。

つまり、判断能力のない人の資産は凍結されることとなるのです。

事後的な対策としては、成年後見人の選任を家庭裁判所に申し立てて代理人として迎える方法がありますが、あくまで本人の権利擁護活動が中心で、投機的な行為ができません。

 

そこで、有効となるのが信託の組成です。

資産を持つ人A(本人)がまだ元気なうちに、子や親族など信頼できる人を受託者として、資産を信託します。

信託された資産から生じる利益は、本人Aを受益者として契約することにより、本人に帰属するようにしておきます。

そうすると、本人Aが認知症となった場合、受託者が信託された財産を契約に従って運用したり処分したりすることが可能になります。

例えば、本人Aが認知症となり施設に入居するため、使わなくなった自宅を処分して、収益物件を購入し収益は本人に帰属させるなどといった動きが可能となります。

 

さらに、信託契約で信託終了後(委託者兼受益者である本人の死亡後)の信託財産の帰属先を指定することにより、遺言による遺産の取得の指定と同じ効果を発揮することもできます。

さらに、遺言では不可能な二次相続での遺産の帰属先の指定も可能となります。

 

信託スキームの組成や契約書作成、登記は相当専門的となりますので、弊所の司法書士にご相談ください。

 

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