今回は、想定事例を用いて、少額な債権回収と支払督促や少額訴訟などの簡易裁判所の上手な利用について解説します。
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想定事例~貸金の利息の回収~
Q:昨年3月に、投資家として、起業家の方に500万円を貸しました。もちろん契約書はあります。元本の弁済期日は来年なのですが、利息は年12%で、毎月末日限り1%ずつ支払ってもらう約束になっていました。滞納となっている利息を回収したいのですが、できますか?
A:計算したところ、滞納となっている利息は60万円のようです。140万円以内の請求であれば、司法書士が代理人として債権回収できますよ。
まずは、軽く督促し、それでも払ってくれないようなら内容証明を送ってみましょう。
債権回収の方法としては、支払督促手続きや少額訴訟など、簡易裁判所を上手く使っていけばいいと思います。
司法書士の訴訟代理権と債権回収
想定事例のような少額な債権回収は、多くの報酬が見込めないため受任してくれない弁護士は相当多いものと予想されます。
一方で、豊中司法書士ふじた事務所では、少額なトラブルでお困りの方にも極力対応をさせて頂いております。
もちろん、無料という訳にはいかないのですが、少額な訴訟や債権回収についても、適切な料金で受任し対応する方針です。
司法書士が債権回収を代理人として対応できるのは、原則として、請求額140万円以内のものになります。
元本と利息を請求する場合は、元本の金額が140万円以内なら、元本と利息の合計が140万円を超えていても受任可能です。
今回の想定事例では、利息のみの請求ですから、利息の額が140万以内なら代理人として対応可能ということになります。
債権回収が通常訴訟に発展した場合、司法書士の代理権は簡易裁判所での活動に限られますので、控訴される訴訟が地裁に係属すると代理権を失います。
ただ、60万円程度の少額な訴訟では、控訴する方も訴訟費用がかさむこととなりますので、その可能性はあまり高くないと思われます。
もちろん、書面作成による本人訴訟支援という形でご依頼者様をサポートすることは可能です。
支払督促や少額訴訟~簡易裁判所の活用~
司法書士は、簡易裁判所管轄の民事事件のプロですから、簡易裁判所の利活用については、弁護士と同レベルで理解しています。
想定事例では、訴額が60万円ですので、少額訴訟という制度を使って一日の期日で裁判を終わらせることができる可能性も高いです。
また、支払督促という制度を使えば、相手方から異議がでなければ、訴訟をせずに差押えをする権限が付与される(債務名義の取得)がなされる可能性もあります。(支払督促について詳しくはこちら)
なお、裁判手続きの種類と特徴については、こちらでも解説しています。
いずれにせよ、少額な訴訟では、いかに費用を掛けずに最大限の成果を出すかがポイントとなってきます。
もちろん訴訟は弁護士に依頼できますし、弁護士の訴訟サービスはクオリティが高いのですが、報酬が高いのが泣き所ですし、訴額が小さい訴訟はそもそも相手にしてくれない弁護士が多いのです。
少ない報酬と費用で少額な訴訟をするなら、司法書士の訴訟サービスのクオリティで十分でしょう。フランス料理を食べなくても、500円の牛丼が美味しくてお腹いっぱいになるのと同じです。
以上、少額な債権回収と簡易裁判所の活用について解説しました。
少額な債権回収や少額な訴訟、支払督促や少額訴訟などの簡易裁判所の手続きについては、豊中司法書士ふじた事務所にご相談ください。
なお、紛争性がある訴訟相談については、電話・メール・LINEでの具体的な回答は致しておりませんので、ご面談(オンライン面談含む)でのご相談の予約をお願いします。まずは、ご連絡を頂ければ、ご予約のやり取りをさせていただきます。