生前贈与のメリット・デメリットは?移転登記(名義変更)と贈与税対策について解説します。

今回は、生前贈与のメリット・デメリットや不動産の贈与による所有権移転登記(名義変更)と贈与税対策について解説します。

生前贈与のメリットとデメリット

生前贈与のメリット

生前贈与には、相続発生前に自分の財産を特定の者に譲り処分権を承継することができる、という最大の特徴があります。

もし、相続が発生して遺産の承継が起こった場合は、配偶者や子などの法定相続人に、法定相続分の割合で遺産が承継されてしまい、狙った者に自分の財産を承継させることができません。

もちろん、相続では、法定相続人以外の第三者へは遺産は承継されないので、生前贈与するか遺言による遺贈をする方法を取る必要があります。

 

また、他には以下のようなメリットがあります。

・特定の財産に関して、相続時の遺産分割協議を巡るトラブルを回避し、生前に説明をしつつ財産を承継できる。

・110万円の基礎控除を活用して、生前贈与を適切に行うことにより、相続税を節税することもできる。

 

生前贈与のデメリット

生前贈与のデメリットには、次のようなものがあります。

・贈与税がかかってしまう場合がある。

・相続の3年前の贈与については、相続税の計算に算入されてしまう。

・法定相続人の最低限の取り分の保障である遺留分を侵害すると、遺留分侵害額請求を受けてしまう可能性がある。

 

なお、遺留分侵害額請求の計算について、詳しくはこちら

遺留分侵害額請求についてですが、簡単に言いますと、第三者に対する贈与は、相続開始の1年以内に限り遺留分の対象となります。

また、相続人に対する特別受益となる贈与については、相続開始の10年以内に限り遺留分の対象となります。

要は、自分の寿命はコントロールできませんが、贈与後に一定年数生きることで、遺留分侵害額請求の対象とならないように贈与することができるとは言えます。

 

生前贈与による所有権移転登記

上記のようなメリットのある生前贈与ですが、中でも資産価値が大きくなる不動産について、生前贈与をした場合は、所有権移転登記(名義変更)を申請する必要があります。

特に、賃貸マンションなどの収益不動産を生前贈与した場合は、家賃収入を受贈者に付け替えができますし、相続税対策にもなります。

 

贈与による所有権移転登記で必要となる書類は、以下のとおりです。

・登記申請書

・登記原因証明情報又は贈与契約書

・登記識別情報(又は登記済証)

・贈与者の印鑑証明書(発行後3か月以内)

・受贈者の住民票

・司法書士への委任状

・評価証明書、名寄帳又は固定資産税の課税明細書

 

また、贈与による所有権移転登記には、物件の固定資産税評価額の2%となる登録免許税を納める必要がありますので、要注意です。

 

相続時精算課税制度を活用し贈与税を回避した生前贈与

贈与税を回避する方法の一つとして、相続時精算課税の制度の活用があります。

この制度について簡単に説明します。まず、対象は、60歳以上の父母や祖父母から、20歳以上の子や孫に対する贈与となります。

生前贈与について、2500万までを無税とし、これを超える贈与は20%との課税となります。

そして、相続時精算課税を使って贈与した財産の額を、相続税の計算の際の遺産総額に含めて計算することとなります。

相続時精算課税による贈与時に納めた贈与税を、相続税額から控除することもでき、控除額の方が大きい場合は還付も受けられます。

 

つまり、相続税が無税となる場合においては、相続時精算課税制度を使えば、贈与税を回避して生前贈与が可能となるということになります。

誤解を恐れずに単純化すると、相続税の基礎控除が、3000万+相続人の数×600万なので、この基礎控除額に財産総額が収まっている方は、無税で生前贈与できる可能性が高いです。

税務について、詳しいことは、弊所が懇意にしている優秀な税理士と共同して対応することとなりますので、ご安心ください。

 

以上、生前贈与のメリット・デメリットや不動産の贈与による所有権移転登記(名義変更)と贈与税対策について解説しました。

生前贈与や所有権移転登記(名義変更)については、豊中司法書士ふじた事務所にご相談下さい。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー