遺言書作成・保管制度について

遺言書とは

遺言書とは、ご自身が亡くなった後に、財産を「誰に」「どのように」引き継がせるかというご意思を、法律の定める方式に従って書面に残したものです。

遺言は民法に定める方式に従わなければ効力を生じません(民法960条)。つまり、思いを書き残すだけでは足りず、「法的に有効な形式」で作成することが重要です。

遺言書がない場合、亡くなった方(被相続人)の財産は法定相続人全員による遺産分割協議で分け方を決めることになります。協議は相続人全員の合意が必要なため、話し合いがまとまらず、関係がこじれてしまうケースは決して珍しくありません。

有効な遺言書があれば、原則としてその内容に従って財産を承継させることができ、ご家族の負担を大きく減らすことができます。

 

特に、お子様のいないご夫婦、再婚により前婚のお子様がいる方、相続人以外の方(内縁の配偶者、お世話になった方など)に財産を遺したい方、不動産や自社株など分けにくい財産をお持ちの方には、遺言書の作成を強くおすすめします。

なお、一定の相続人には遺留分(最低限の取り分)が保障されているため、遺言の内容によっては遺留分侵害額請求を受ける可能性があり、この点への配慮も必要です。

 

遺言書の方式とメリット・デメリット

普通方式の遺言には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3種類があります。

 

自筆証書遺言

自筆証書遺言(民法968条)は、遺言者が全文・日付・氏名を自書し、押印して作成する遺言です。なお、相続財産の目録についてはパソコン等での作成や通帳のコピー添付が認められています(各頁への署名押印が必要)。

メリットは、費用がほとんどかからず、いつでも一人で作成でき、内容を秘密にできることです。

デメリットは、方式の不備により無効となるリスク、紛失・改ざん・そもそも発見されないリスクがあること、そして相続開始後に家庭裁判所での検認(民法1004条)という手続が必要になることです(後述の法務局保管制度を利用した場合を除く)。

 

公正証書遺言

公正証書遺言(民法969条)は、証人2名の立会いのもと、公証人が作成する遺言です。

メリットは、法律の専門家である公証人が関与するため方式不備で無効となるおそれがほぼないこと、遺言の内容の法的チェックも公証人によって行われること、原本が公証役場に保管されるため紛失・改ざんの心配がないこと、検認が不要であることです。

デメリットは、財産の価額に応じた公証人手数料がかかること、証人の立会いが必要なため内容を完全に秘密にはできないことです。

 

秘密証書遺言

秘密証書遺言(民法970条)は、内容を秘密にしたまま、遺言書の「存在」のみを公証人に証明してもらう方式です。内容は誰にも見られませんが、方式不備で無効となるリスクが残り、検認も必要となるため、実務上の利用は多くありません。

 

法務局の自筆証書遺言書保管制度について

令和2年7月から、法務局(遺言書保管所)が自筆証書遺言を保管する制度が始まりました(法務局における遺言書の保管等に関する法律)。自筆証書遺言の弱点を補う制度として注目されています。

主なメリットは次のとおりです。

第一に、原本と画像データが法務局に保管されるため、紛失・改ざん・隠匿のおそれがなくなります。

 

第二に、保管申請の際、法務局が日付や署名押印など外形的な方式のチェックを行うため、形式面の不備による無効を防ぎやすくなります(ただし、内容の有効性まで保証するものではありません)。

 

第三に、この制度で保管された遺言書は家庭裁判所の検認が不要です。 第四に、あらかじめ指定した方に対し、遺言者の死亡後に遺言書が保管されている旨を法務局から通知する制度(指定者通知)があります。

 

手数料は遺言書1通につき3,900円と低廉ですが、申請は遺言者本人が法務局に出頭して行う必要があります。また、繰り返しになりますが、法務局は遺言の「内容」が法的に適切か、実現可能かまでは審査しません。内容面のチェックは専門家への相談が不可欠です。

司法書士による無料相談について

遺言書作成を司法書士に依頼するメリット

司法書士は、不動産登記・商業登記の専門家として、相続手続の実務に日常的に携わっています。遺言書作成を司法書士にご依頼いただくメリットは次のとおりです。

 

1. 登記を見据えた遺言内容にできる 遺言に不動産を記載する場合、登記簿の記載に基づいて物件を正確に特定しなければ、相続開始後の登記手続に支障が生じることがあります。

また、令和6年4月から相続登記の申請が義務化され、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となり得ます。司法書士は、遺言の作成段階から、将来の相続登記までスムーズにつながる文案をご提案できます。

 

2. 無効・紛争のリスクを減らせる 方式面のチェックはもちろん、遺留分への配慮、予備的遺言(受遺者が先に亡くなった場合の定め)、遺言執行者の指定など、紛争予防の観点から内容を整えます。

 

3. 各方式・制度の手続をトータルでサポート 公正証書遺言の文案作成や公証人との打合せ、証人の手配、法務局の保管制度を利用する場合の申請書類の作成支援まで、一貫してお手伝いします。

 

遺言書は「元気なうちに」作ることが何より大切です。豊中司法書士ふじた事務所では、初回のご相談から丁寧に対応いたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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