行政への審査請求の代理と行政事件訴訟の本人訴訟支援。元公務員司法書士が解説。

今回は、元国家公務員である司法書士兼特定行政書士である弊所代表による、行政への不服審査請求の代理と行政事件訴訟の本人訴訟支援について解説します。

行政庁の処分を争う方法~不服審査と行政訴訟~

行政庁の処分には申請に対する許可又は不許可、認可、決定、確認、取消処分、監督処分などの様々な種類があります。

一方で、これらの処分に対して争う方法は、大きく分けると、行政不服審査法に基づく審査請求等と、行政事件訴訟の2つになります。

 

審査請求について

審査請求というのは、簡潔に説明すると、処分をした行政庁の上級官庁に対して、処分庁のした処分の取消しを求めたり、不作為の義務付けを求める手続きになります。

審査請求手続きの特徴としては、訴訟に比べると手続きが簡易迅速であるということと、訴訟と異なり処分の違法性のみならず不当性についても争うことができる点になります。

デメリットとしては、裁判所のような第三者ではなく、同じ官庁に所属する公務員により判断されるため、お手盛り判断になる可能性があることと、審査請求及び再審査請求の結果を更に訴訟で争うことができるため、終局的な紛争解決にならないことになります。

 

行政事件訴訟について

行政事件訴訟は、管轄の裁判所にて行う訴訟手続きになります。

訴訟の類型としては、抗告訴訟(取消訴訟、義務付訴訟、無効等確認訴訟、不作為の違法確認訴訟、差止訴訟)、当事者訴訟、民衆訴訟、機関訴訟があります。

訴訟ですので、審査請求とは違って、司法判断となりますので、最終的な紛争解決となります。

 

ただし、訴訟ですので年単位の長期の時間を要することと、弁護士に依頼した場合は高額な費用を要することがデメリットとなります。

行政訴訟は、勝訴率が10%未満であり、国民側が不利であるため弁護士が受任を拒否することもしばしば起こります。

そういった場合は、司法書士の書類作成による本人訴訟支援を利用することで、リーズナブルに本人で訴訟を遂行することも検討に値します。

 

具体例としては、

・建設業許可や在留許可、農地法の許可などの許可申請をして不許可処分になった場合に、許可処分を求めて不許可の取消しと許可の義務付けを請求して争う。

・食品衛生法による営業停止処分や河川法による監督処分の取消しを争う

・許可申請に対して行政庁が応答しない場合に、許可処分の義務付け訴訟をして争う

・土地収用(公共事業による強制立ち退き)における損失補償(補償金)の金額の妥当性について当事者訴訟(形式的当事者訴訟)で争う

などになります。

 

特定行政書士による審査請求の代理

官公署(お役所)への各種許認可申請を行った結果、不許可処分となったり、行政庁が何らの処分もしないなど、思ったような良い結果が出ない場合があります。

そういった場合の対応は、上記のとおり、行政不服審査法に基づく上級官庁等への審査請求を行って処分を争ったり、行政訴訟を提起して義務付け訴訟や取消訴訟をして争うこととなります。

 

かつて、一般的な許認可の審査請求の代理は弁護士に依頼するしか方法がありませんでした。しかし、平成26年の行政書士法改正により、一定の研修と試験に合格した特定行政書士に審査請求手続きの代理権が付与されました。

特定行政書士は、行政書士が書類を作成した許認可申請について、審査請求の代理ができます。逆を言えば、行政書士が申請に関与していない許認可に関しては、審査請求の代理はできません。

また、前提としての申請行為がない、監督処分や許可等の取消処分などの不利益処分についても特定行政書士は審査請求を代理して争うことはできませんので要注意です。

 

司法書士による行政事件訴訟の本人訴訟支援

司法書士は、訴状や準備書面などの裁判所に提出する書類作成業務を150年来の本来業務としています。(司法書士の本人訴訟支援についてはこちら

上記のような行政事件訴訟についても、訴額にかかわらず全ての書類を作成することができます。(140万円以下という規制はありません。)

特定行政書士と異なり、申請に対する不許可等のみならず、申請を伴わない不利益処分に対する訴訟ついても書類作成は対応可能です。要は、全ての行政事件訴訟の類型に裁判書類作成は対応可能ということになります。

 

弁護士に比べて費用が大幅に安くなりますから、司法書士による本人訴訟支援を受けて、自分で法廷に立ち訴訟をすることも検討に値するでしょう。

ただし、複雑な尋問が必要な訴訟は、本人訴訟には不向きと言えますのでご注意ください。

 

弊所代表司法書士兼特定行政書士の得意分野

弊所の代表司法書士は、元国土交通省四国地方整備局の国家公務員を11年経験しており、かつ、特定行政書士の資格も保有していることから、行政の仕組みや内情に明るいので、審査請求や本人訴訟となる場合は皆様のお役に立てることと思います。

また、土地収用における損失補償理論を用いた補償金の算定を、国交省での長年の経験から得意としています。公共事業で土地を強制収用されたが、補償金に納得がいなかいので本人訴訟したいという場合は、一度ご相談ください。

また、河川行政・許認可に携わった経験もあるため、河川法の許認可や監督処分について本人訴訟で争う場合も、一度ご相談ください。

 

行政事件訴訟の本人訴訟支援や審査請求の代理は、豊中司法書士ふじた事務所にご相談ください。

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