不幸にも身内の方がお亡くなりになった場合、四十九日が明けた頃に遺産分けの話が出始めるかと思います。
その際に、相続の専門家に相談したいのだけれど、誰に相談したらいいのだろう?という疑問を抱かれる方は多いのではないでしょうか。
この記事では、相続の専門家である各士業の違いについて、説明したいと思います。
このページの目次
相続を扱える士業
日本には、国家資格や民間資格が相当多数ありますが、その中でも相続に関する業務を扱うことができる国家資格は、
・司法書士
・税理士
・弁護士
・行政書士
あたりが中心になります。これらの士業は、独占業務というその資格がなければ、取り扱うことができない職域を持っています。
資格がないにもかかわらず、独占業務を行ってしまうと罰則規定に抵触することになりますから、有罪となる可能性があります。
独占業務と相続への関わり方
では、上記の士業の独占業務と相続へどのように関わるのかについて、それぞれ解説します。
・司法書士
司法書士は、登記・供託手続の代理や裁判所・検察庁への提出書類作成、簡易裁判所管轄事件の訴訟・和解等の代理をその職務とする資格です。
紛争性のない法律事務(登記・法律文書作成)や本人訴訟の支援、少額な紛争の解決を専門としますから、弁護士とは守備範囲の異なる法律家と言えます。
発生した相続のうち9割以上は、円満に遺産分割協議が整いますし、その大多数は不動産を含みますので登記をしなければなりませんから、司法書士は、発生する相続の大多数に関与している専門家であると言えるでしょう。
また、万が一、遺産分割で紛争となった場合についても、遺産分割調停や審判についての申立書や陳述書面等を作成することにより、裁判手続きをサポートすることができます。
さらに、平成14年の法改正により、遺産の管理業務権限が明定されましたので、遺産整理業務も取り扱うことができます。
・税理士
税理士は、税務申告や税務コンサルティング、会計業務の専門家です。公認会計士は企業の監査をその業務としますから、それとはまた異なる資格です。
相続においては、相続税の申告をその業務範囲としています。相続税が発生する割合は、相続全体の件数の約8%と言われていますから、全ての税理士が日常的に相続を扱っている訳ではありません。
税理士の中でも相続を専門とする先生がいますから、そういった税理士を探すことが必要となります。
また、相続の生前対策を講じる際には、節税スキームの構築が必須となりますから、税理士の力が必要となります。
・弁護士
弁護士は、紛争性のある法律事件の解決を独占業務とする資格です。また、弁護士は一般の法律事務を業務範囲としますから、取り扱える事務に制限はありません。
しかし、大多数の弁護士は、遺産分割協議書だけの作成であったり、登記申請であったりという、司法書士等の業務範囲の仕事はしていないようです。
通常、弁護士は、紛争となった相続事件について、依頼者の代理人として裁判所に出頭したり、相手方と交渉したりして、事件を解決することを得意としています。
円満相続の際には出番はなさそうですが、いざ揉め事が発生した時には、頼りになる存在です。
・行政書士
行政書士は、許認可手続きや権利義務・事実証明に関する書類の作成を行う士業です。司法書士と名前はよく似ていますが、その試験の難易度は全く異なり、司法書士試験の方が圧倒的に難関です。
相続においては、登記手続きが必要とならない遺産分割協議書であったり遺言書を作成することができます。
要注意なのは、行政書士は登記手続きには一切関与できない点です。また、紛争となった相続についても関与はできませんから、費用の重複を避けるという意味でも最初から司法書士や弁護士に依頼されることをお勧めします。
相続手続きは、複数の士業の連携が必要なことも
上記のように、相続には複数の専門家が関与する必要が生じることもあります。
ただ、通常は、まず戸籍等を調査し相続人を確定するところから始まると思います。まずは、当事務所の司法書士にご相談を頂ければと思います。
手続を進める中で、税理士や弁護士の関与が必要となった際には、懇意にしている事務所を紹介しますからご安心ください。
相続に関するご相談や手続きの代行については、豊中司法書士ふじた事務所にお気軽にご相談下さい。