今回は、相続した不要な土地建物(不動産)の処分と売却について解説します。
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想定事例(不要な土地の処分・売却)
Q:Aと申します。先月、私の父が亡くなったのですが、生前に原野商法か何かで、北海道の山林や隣県の造成された雑種地などを購入させられていたようです。
いわゆる負動産なのですが、新聞報道で相続登記が義務化になると知りました。費用ばかりがかかるので、これらの土地を子孫に残したくないので手放したいのですが、いい方法はありますか?
A:不要な不動産を手放すには、①売却する、②どこかに贈与・寄付する、③ご自身の相続の際に相続放棄をしてもらう、といった対応になります。ただ、法改正で2~3年後には、相続した土地の所有権を国庫に帰属させる制度が始まりますから、そちらで対応できる可能性もあります。
いずれにせよ、売却できれば収益が出ますので、費用がかかる他の手続よりお得にはなります。まずは、弊所が懇意にしている不動産屋さんに相談してみましょう。
(ご相談の内容は、想定です。)
不要な不動産を手放す方法
土地や建物といった不動産は、通常、所有しているだけで固定資産税がかかりますし、維持管理のための経費もかかります。
資産価値があるものであればいいのですが、価値が小さい不動産は、手放してしまった方がかえって得ということも、往々にしてあります。
令和3年現在の法制度上、所有権の放棄の制度はなく、不要な不動産を手放す方法は、
① 売却する
② 贈与・寄付をする
③ 名義人が死亡した際に、相続人に相続放棄をしてもらう
といったものになります。
この中で、最も金銭的なメリットがある手法が、①の売却する、となります。
少しでも、売却代金が入ってプラスになるのであれば、それに越したことはありませんよね。
なお、令和3年の通常国会で成立した、「相続等により取得した土地所有権の国庫への帰属に関する法律」が2~3年後に施行されると、不要な土地を国に引き取ってもらうことも可能となります。(詳しくはこちらをご覧ください。)
ただし、10年分の管理費を納める必要があるなど、費用がかかる制度になる予定ですので、その点は要注意です。
不要な不動産は売れるのか?山林や原野の買主は見つかるの?
不要な不動産は、売却に出しさえすれば必ず売れる、というものではないのはご承知のとおりですが、まずは売りに出さなければ、売れる可能性が生まれません。
造成されていて宅地としての使用可能性があれば、比較的買い手は付きやすいと考えられます。
一方で、遠方の山林や原野などが売れる可能性はあるのでしょうか?
これについては、可能性はあるにはある、という回答になります。
例えば、売却に出している土地の隣の土地の所有者が欲しがるという可能性はそれなりにありそうです。
また、山奥の土地であっても、ログハウスを作りたいとか、天体観測のために買いたいとか、思わぬニーズを持つ買い手が出現する可能性もあります。
もちろん、事業用の土地として売れる可能性もあるでしょう。
いずれにせよ、不要な土地を相続したけれども手放したいという場合は、あきらめずに売却にトライするのがよいと思います。
豊中司法書士ふじた事務所では、顧客思いの素敵な不動産屋さんと懇意にしていますので、相続した不要な不動産の売却は弊所にご相談ください。