消費者金融からの借金が返せない!?自己破産や民事再生手続きによる債務整理。

今回は、消費者金融5社からの借り入れがあり、自己破産手続きを選択された想定事例に基づいて債務整理について解説します。

 

想定事例~消費者金融からの借金のご相談と破産手続き~

Q:私は、10年程前から、飲食やギャンブルのために消費者金融で借金をするようになりました。最初は、借入額もわずかで返済で来ていたのですが、段々と借入額が大きくなってしまい、昨年あたりから返済のために借金をする自転車操業状態となりました。

現在、消費者金融5社から借り入れがあり、総額は500万くらいで、月の返済額が12万~13万円くらいです。

仕事は、カラオケ店でバイトをしているのですが、新型コロナの影響で給料が激減し、現在は17~18万円の給料しかもらえていません。

自宅は賃貸アパートで、貯金やめぼしい財産は特になく、自動車も持っていません。

司法書士さんは、借金の整理ができると聞いてご相談しております。どうかお願いします。

(ご相談の内容は、想定になります。)

 

A:まずは、各消費者金融に対して、受任通知を送付します。これにより、借金の取立ては止まります。受任通知の発送以後は、借金の返済はしなくでもいいです。

受任通知の中で取引履歴の開示も請求しますので、もし過払い金があれば払いすぎた借金が返ってくる場合もあります。

過払金が無いとした場合、Aさんは、既に支払不能状態になっていますから、自己破産手続きや民事再生手続きも視野に入れなければならないと考えます。

 

令和時代の債務整理において、過払い金はあるのか?

過払金というのは、利息制限法によって定められた利息の上限と、より厳しい規制である出資法によって定められた利息の上限に差があるために生じていたグレーゾーン金利によって、発生していました。

けれども、平成22年の出資法改正施行により、グレーゾーン金利が撤廃されてからは、新たな過払い金というのは発生していません。

 

つまり、平成22年6月以前に取引を開始した借金については、未だに過払い金が生じている可能性がありますが、それ以降に新規に取引を開始した借金については、原則として、過払い金は生じないと考えられます。

Aさんについては、取引履歴を確認したところ、平成22年以前に開始した借金はなかったため、過払い金は生じていませんでした。

 

民事再生(個人再生)手続きをするか?自己破産手続きするか?

Aさんは、収入が月17~18万円であるのに対して、月の返済額が12~13万円となっていました。

これは、明らかに支払不能に陥っていると言っていい状態だと考えられます。

 

支払不能というのは、簡単に言うと借金を3年かけても完済できない状態と考えて頂ければよく、破産手続が開始されるための要件となっています。

自己破産をすれば、消費者金融からの借り入れについては、免責され0になりますから、有力な選択肢の1つとなります。

破産手続について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

一方で、破産をどうしてもしたくないという方には、民事再生(個人再生)という手続きもあります。

今回のご相談のケースで、個人再生を行うとすると、借金を1/5にまで圧縮することができます。(4/5はチャラということです。)

そして、1/5である100万円については、返済計画を立てて計画的に返済をすることになります。

また、民事再生については、破産のような一定の職業に就けなくなる資格制限がないのも、メリットになります。

民事再生(個人再生)について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

Aさんは、全ての借金を0にしたいという希望があり、最終的に破産手続を選択することになりました。

豊中司法書士ふじた事務所

 

破産手続開始の申立てと同時廃止

Aさんは、特に財産などは所有おらず、手持ちの現預金もわずかであったため、破産手続開始決定と同時に手続きが即終了となる同時廃止となりました。

 

もし、破産されたい方がある程度の財産をお持ちだったり、事業を営まれているような場合には、同時廃止とはならず管財事件となり、弁護士が破産者の財産を管理・売却して配当するという手続きを踏まなくてはならなくなりますので、手続きには長期間を要することになります。

 

同時廃止になるかどうかについては、大阪地裁の場合は一定の基準がありますから、詳しいことは弊所の司法書士にお尋ねください。

 

ギャンブルでの借金は免責(チャラ)になるのか?

破産手続を取った場合に、原則として、借金が免責(チャラ)にならないと規定されているケースがあります。

こういった規定を免責不許可事由というのですが、その一つに「浪費、賭博、その他射幸行為」があります。

要は、ギャンブルで作った借金といのは、原則として破産による免責にはならないという風に読めるのです。

 

ただし、免責不許可事由に該当したとしても、悪質でないのであれば、裁判官の裁量による裁量免責により、借金を0にすることが可能です。

ある統計によると、自己破産した者の96%以上は、免責になっているというデータもあります。

 

今回のケースでも、免責をしなければ生活再建がどうしてもできないこと、ギャンブルについてはちゃんと辞めて悔い改め、反省しているというような趣旨の反省文を提出することにより、免責を得ることが可能です。

 

以上、消費者金融からの借金の整理について、解説しました。

自己破産手続きや民事再生(個人再生)手続きについては、豊中司法書士ふじた事務所にご相談ください。

 

 

 

 

 

 

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