遺産分割調停を利用する場合とその手続き

皆様、こんにちは。司法書士の藤田純平です。

日本においては、年間130万人以上の方が毎年亡くなっています。そして、その相続については、9割以上の事案において円満に遺産分割協議が成立します。

けれども、数%の事案では、遺産分割や遺留分などを巡って、紛争が生じ「相続」ではなく「争族」となってしまいます。

今回は、紛争解決の手段である、家庭裁判所での遺産分割調停の手続きについて、解説致します。

 

遺産分割調停とは

遺産分割調停とは、遺産分割を巡り相続人間で争いとなった場合に利用できる、家庭裁判所での手続きになります。

調停は、裁判官と調停委員の立会の下、裁判所で相続人間での話し合いを行い、円満な解決を目指すものとなっています。もし、調停が不成立となった場合は、その手続きは審判に移行することとなります。

審判では、原則として、法律の規定どおりの遺産分割が裁判所の判断によりなされることとなります。

以下では、遺産分割調停を行わなければならなくなるような紛争にはどういったものがあるか、説明致します。

 

遺産分割を巡る紛争

遺産分割は自由

遺産分割協議においては、どのように相続人間で遺産を分けるかというのは、自由に決めることができます。つまり、法定相続分とは異なる遺産分けを行うことが法律上も可能ということです。

ですから、相続人間で円満に遺産の分け方について、合意ができているのであれば、それで全く問題ないということになります。

しかしながら、一方で、民法には特別受益や寄与分、特別寄与分についての定めがあります。

 

特別受益

特別受益と言うのは、被相続人(故人)の生前に、婚姻、養子縁組や生計の資本として贈与を受けている場合は、それを相続財産に加算する計算を行い、その贈与を相続分の前渡しとしてカウントする制度です。

なお、特別受益には、持戻しの免除という制度があり、被相続人の意思表示により上記のような計算を行わないこともできます。民法改正による持戻しの免除の意思表示の推定についてはこちらをご覧ください。

 

寄与分

寄与分と言うのは、被相続人が生前に行っていた事業を無償で手伝ったり、被相続人に金銭や財産を給付したり、被相続人の療養看護に無償で努めるなどして、遺産の維持や増加について、寄与(貢献)があった場合は、法定相続分に寄与分を加えた分を相続分とする制度です。

原則として、寄与分は協議により定めますが、協議で定まらない場合は、家庭裁判所により定められることとなります。

 

特別の寄与

特別の寄与については、こちらをご覧ください。

 

上記のように具体的な相続分に影響する制度がありますから、これらの主張をする相続人がいて、他の相続人が納得しないような場合は、相続紛争が生じやすいと言えるでしょう。紛争となった場合は、遺産分割調停を申し立てる方法が考えられます。

 

その他の遺産分割を巡る紛争の原因

他に、遺産分割において紛争が生じやすい論点は、遺産の評価と遺産分割の方法になります。

 

遺産の評価

遺産分割をするにあたり、各遺産の評価額がどうなるかによって、遺産分割の結果が大きく異なることとなります。

遺産分割調停において、相続人全員が合意した方法であれば、評価方法は自由に決めることができます。しかし、合意に至らない場合は、不動産であれば不動産鑑定士の鑑定を、譲渡制限株式であれば公認会計士の鑑定を取得することとなります。

なお、遺産分割における不動産の評価方法について詳しくは、こちらをご覧下さい。

任意の遺産分割協議の中で、遺産の評価方法について意見がまとまらない場合は、調停手続きの中で鑑定を取得することとなるでしょう。

 

遺産分割の方法

遺産分割の方法は、大きく4つあります。

・現物分割・・・遺産の現物をそのまま相続分に応じて分配したり、遺産を細かく分けて分配する方法です。

・代償分割・・・一部の相続人に法定相続分を超える遺産を取得させ、他の相続人にその代償金を支払う方法です。

・換価分割・・・遺産を売却し、その売却代金を相続人で分ける方法です。

・共有分割・・・相続人の特別受益や寄与分を考慮した具体的な相続分で、遺産を共有状態とする方法です。

どのような方法で遺産分割を行うのか、相続人間で合意ができない場合は、調停手続きを利用することとなるでしょう。

他の調停手続きを利用する場合

相続人の間で、何が相続財産であるのか、相続財産の有無・範囲・帰属について争いがある場合は、遺産分割調停事件ではなく、遺産に関する紛争調整を求める調停(一般調停)を申し立てることになります。

なお、遺産の帰属については、最終的に民事訴訟によって確認されるべきものとなりますが、遺産分割審判において判断することは差し支えないとの判例もあります。

 

上記の寄与分については、寄与分を定める処分調停を申し立てることとなりますが、通常は遺産分割調停と併合して行われることとなります。

 

司法書士の本人訴訟支援

遺産分割を巡り紛争となり、遺産分割調停などを申し立てる場合、司法書士や弁護士に依頼することが考えられます。

代理人に調停や審判に同席をして欲しいのであれば弁護士へ依頼するしかありません。しかし、どの道、調停には本人が出席する必要がありますから、本人だけで手続きを行いたいという方も多数おられると思います。

司法書士は、そういった本人での調停・審判を、書類作成や法的アドバイスによりサポートすることができます。費用は、弁護士より大幅に安価となります。

遺産分割調停、審判を本人で行いたいが専門家のサポートを受けたい、という場合はお気軽に当事務所にご相談下さい。

 

 

 

 

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