遺産分割協議の際の不動産の評価方法

皆様、こんにちは。司法書士の藤田純平です。

今日は、不動産の価格評価と遺産分割について、ちょっと書いてみようと思います。

私は、大学卒業後、国土交通省四国地方整備局でノンキャリア国家公務員を約11年間やっておりまして、そのうち9年間は、用地買収の仕事に携わっておりました。

この用地買収の仕事というのが、非常に大変な仕事でして、立ち退きの交渉が大変なのはさることながら、地権者にお支払いする補償金の計算も理論が非常に複雑で大変なものでした。

 

国の用地買収の場合は、土地代金の計算は不動産鑑定士の鑑定評価に加えて、自前で損失補償基準に基づいて土地評価を行います。また、建物の補償金については、専門の補償コンサルタントに調査積算を依頼して計算します。

ですので、私も土地や建物の価格の評価については、それなりの知識を有しております。(もちろん、不動産鑑定士さん程ではありませんが。)

 

話を相続の場面に移しますが、遺産分割協議を行う際に、遺産における不動産の割合が高いと、不動産の価格の評価方法次第で遺産分割協議の結果が大きく異なることになります。

例えば、遺産が自宅の土地と建物、2000万円の預貯金だとします。相続人が妻と長男と長女であるという場合に、不動産を妻が全て相続することが決まったとします。

もし、不動産が2000万円という評価なのであれば、預貯金を2人の子供で半分ずつ分ければ、法定相続分どおりの遺産分割となり、問題は生じにくいでしょう。

 

けれども、もし、不動産の評価方法が異なり、3000万円だとしたらどうでしょうか?子供は、自分たちの取り分が少ないと感じるでしょう。この場合、妻から子供たちに代償金として500万円ずつ支払う方法等が考えられます。

遺産分割協議において、不動産の価格評価をどうするのかということは、遺産分割協議に大きく影響してくるのです。

 

まず、遺産分割協議を行うにあたっては、実務上、遺産の評価額は遺産分割の時点を基準とする扱いとなっています。

次に、土地の評価方法についてですが、土地は1物5価などといわれるように、様々なアプローチがあり価格も異なってきます。

・公示価格(国土交通省発表の1/1時点の価格)

・基準価格(都道府県発表の7/1時点の価格)

・固定資産税評価額(市町村により3年に1度評価替えがなされる。宅地は公示価格の7割程度)

・相続税評価額(いわゆる路線価)(国税局による。宅地は公示価格の8割程度)

・鑑定評価額(不動産鑑定士による鑑定評価。適正な市場価格を表す。)

・不動産業者による査定額(売却前提の売り出し価格。参考程度)

 

建物の評価については、

・固定資産税評価額

・鑑定評価額

・不動産業者による査定額

の3つのいずれかによることが多いものと思われます。

なお、建物の固定資産税評価額は、新築時の評価額が実際の新築価格より大幅に低い価額となりますが、一方で耐用年数を満了した際の残価率が20%と高いです。

そのため、新築時は実勢価格より低く、耐用年数満了以降は実勢価格より高くなる傾向となります。

 

では、遺産分割協議を行う際には、どの評価方法を採用すればよいのかと言いますと、これは、相続人間で合意すればどの評価方法を採用しても良いということになります。

ただ、不動産を相続することとなる相続人は、なるべく価額が低くなる評価方法を採りたいでしょうし、一方で不動産を相続しない相続人は価額が高くなる評価方法を採りたいということになりますから、相続人間で十分協議することが大切になります。

なお、遺産分割での不動産の評価について紛争が生じ、家庭裁判所において審判の手続きを行う場合は、不動産鑑定士による鑑定評価を取ることとなるでしょう。

 

不動産を含んだ遺産分割協議については、豊中司法書士ふじた事務所にお気軽にお問合せ下さい。

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー