八ツ場ダム、試運転ながら実戦投入!命を守る公共事業と憲法29条

皆さん、こんにちは。司法書士の藤田純平です。

先日の台風19号で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。過去最大級の台風であり、関東方面を中心に広域に被害が出てしまいました。

そんな中で、民主党政権時代に話題となった八ツ場ダムが、洪水被害を食い止めるために力を発揮したことが話題となっています。

八ツ場ダムの建設中止から活躍へ

前原元国土交通大臣の時代に、「コンクリートから人へ」のスローガンの下、八ツ場ダムの建設はいったん中止となり、ニュースでも大きく報道されました。

その後、建設は再開となるのですが、私個人的には、八ツ場ダムが完成していたとは思ってもいませんでした。

どうやら、今月の1日に試運転を開始したところらしく、まさかこんなに早く活躍することとなるとは、国交省の担当職員も想定していなかったのではないでしょうか。

twitterなどでは、八ツ場ダムが利根川の洪水を防いだとして、大きな話題となっています。

 

地権者の想いが八ツ場ダムを完成させた

けれども、八ツ場ダムの建設のために、地元の地権者が移転を余儀なくされ、生活再建に苦労をされていることを、我々は決して忘れてはいけないと思うのです。

もちろん、国交省の用地課職員の努力により、正当な補償がなされ、生活再建を支援していることは言うまでもありません。

しかし、補償基準には、精神的な苦痛の補償というものは原則無い中で、自らの故郷を捨てざるを得なかった地権者が、その苦しみに耐えたからこそ、今回、八ツ場ダムが大勢の人を救ったのだと、私は思います。

 

憲法29条と公共事業

憲法第29条には、次のように規定されています。

① 財産権は、これを侵してはならない。

② 財産権の内容は、公共の福祉に適合するように、法律でこれを定める。

③ 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

 

わたしは、この規定と公共事業との関係性を考えた際、2つのことを思います。

 

1つは、所有権は完全に絶対ではなく、公共の福祉という制約が生じる場面があることを、国民一般は忘れてはいけないと思います。

もっと簡単に言うならば、「みんなのために、我慢しなければならないこともある」のが、我が国のルールだということです。

 

公共事業で立ち退きとなった地権者の皆様のご苦労は、察してあまりあります。

けれども、国から1円でも多く補償金を取ってやろうという姿勢は感心しませんし、補償金の財源が税金である以上、公平に使われるべきです。

公共事業は命を守る側面もあります。地域の皆で、協力していくことの重要性に、この台風19号で改めて気づかされたのではないでしょうか。

 

正当な補償金の支払いの100%実施を

一方で、2つ目に思うことは、国や地方公共団体は、憲法に規定される「正当な補償」を100%実施して欲しいということです。

私が所属していた、国土交通省の地方整備局では、100%実施されていました。

けれども、噂で聞くところによると、財政状態の厳しい地方公共団体では、正当な補償金を計算しておいて、用地交渉に行く段階では、最初に減額した補償金額を提示しているところもあるようです。

そんなことをしてしまったら、公共事業に協力的な地権者の補償金が安く、ゴネた地権者の補償金が高くなってしまい不当な結果が生じます。

 

もっというならば、憲法の規定は民法90条を通じて、私人間に間接適用されます。

つまり、正当な補償金額となっていない憲法29条違反の補償の契約は、公序良俗違反で無効と言われる可能性すらあると考えられるのです。

地権者には、正当な補償を。当たり前のことですが、任意の交渉だからと言って、減額は許されないと思います。

 

公共事業による立ち退き問題や損失補償、土地収用についてお悩みの方は、豊中司法書士ふじた事務所にご相談下さい。

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