M&Aの代表的スキームである株式譲渡のクロージングについて!

今日は、中小企業M&Aの代表的スキームである株式譲渡におけるクロージングについて、解説したいと思います。

中小企業のM&Aについては、こちらをご覧下さい。

中小企業M&Aにおけるスキーム

中小企業のM&Aにおいて、最も良く使われるスキームは株式譲渡になります。これは、買手企業が売手企業を子会社するもので、M&A案件の80%以上は株式譲渡なのではないかと思われます。

他には、事業譲渡や会社分割+株式譲渡、株式交換、合併などのスキームが使われることがあります。

今回は、通常の株式譲渡のクロージングと必要書類について、解説していきます。

 

株式譲渡におけるクロージングと登記

会社の売買である株式譲渡は、不動産売買の決済の流れとよく似ていると感じます。

売買契約書を締結した後に、一定の条件を満たしたことをもって、決済日に決済をして登記申請をするというのは両者同じだからです。

 

ただ、両者が決定的に異なるのは、不動産の場合は、決済後に直ちに所有権移転登記が入らなければ、第三者からの差押えや二重譲渡のリスクが生じるのに対して、株式譲渡の場合は、株主名簿の書換えは決済時に即座に完了し、第三者対抗要件が備わるため、株式譲渡に伴う役員変更登記が多少遅れても、差押えや二重譲渡のリスクが基本的にはないところです。

 

実務上は、株式譲渡の決済日と役員変更の登記日を合わせたいというニーズはそれなりにありますので、不動産決済のように、役員変更登記について、司法書士が立会をして、「登記できます」のGOサインを出すという役割を担うことは意義があると考えます。

 

株式譲渡のクロージングに必要な書類

シンプルな株式譲渡のクロージングに必要な書類は、通常、以下のようなものとなります。

売主側から提出するもの

・株券(株券発行会社の場合)

・譲渡企業の株主名簿(旧株主のものと新株主のもの)

・株式譲渡承認請求書(公開会社でない会社の場合)

・株式譲渡承認通知書(公開会社でない会社の場合)

・株主名簿名義書換請求書

・株式譲渡を承認する株主総会議事録又は取締役会議事録

・取締役、監査役等の役員の辞任届

・クロージング条件を満たしたことを証する書面(必要に応じて)

 

買主側から提出するもの

・重要物品受領書

 

クロージング書類ではないが買主側にて決済日に作成しておくもの

・新役員選任及び旧役員の退職金慰労金支給等を決議する株主総会議事録・・・(退職金は株式の対価の一部を構成するため支給決議を要します。)

・新代表取締役を選任する取締役会議事録又は互選書

・新役員の就任承諾書

・株主リスト

 

株券不発行会社へ移行しておく場合

他によくあるケースとしては、譲渡企業が株券発行会社であるにもかかわらず、株券の現物がなかったり、そもそも発行していないなどの理由から、クロージングの前に株券不発行会社に移行しておくことがあります。

この場合には、以下の書類による手続きを事前に行うこととなります。また、クロージング書類に「株券を発行する旨の定めを廃止したことを証する書面」が追加となります。

・現に株券を発行している場合は、株券不所持申出書

・株主への通知書(効力発生日の2週間前までに通知)

・株券を発行する旨の定めを廃止する定款変更を決議した臨時株主総会議事録

・株式の全部につき株券を発行していないことを証する書面(登記申請用です)

・株主リスト(登記申請用です)

 

M&Aの代表的なスキームである株式譲渡のクロージング(決済)については、豊中司法書士ふじた事務所にお問合せ、お任せを下さい。

 

無料相談ご予約・お問い合わせ

 

ページの上部へ戻る

トップへ戻る

電話番号リンク 問い合わせバナー