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遺言がある場合
相続手続きにおいて、遺言が存在する場合、原則として、その遺言に従った遺産の分配が行われることとなります。(遺言とは異なる遺産分割協議をする場合や遺留分減殺請求がなされる場合など、例外はあります。)
遺言の種類
普通の方式による遺言には次の3種類があります。
- 自筆証書遺言 ・・・ 故人の自署押印により作成するもの
- 公正証書遺言 ・・・ 公証役場で証人立会の下、公証人により作成される
- 秘密証書遺言 ・・・ 内容を秘密にし封印し証人立会の下、公証人により作成される
遺言の検認
このうち自筆証書遺言と秘密証書遺言については、家庭裁判所に提出して、検認を受けなければなりません。検認とは、遺言の証拠保全手続きであり、遺言の効力の有効・無効を判断する手続きではありません。
従って、検認を受けなかったからといって、直ちに遺言が無効となることはありません。しかし、民法には検認を経ないで遺言を執行した者は5万円以下の過料に処するとの規定がありますから、注意が必要です。
検認手続きについて、決まった期間や期限はありません。しかし、民法上は遺言書を発見した後、遅滞なく、検認をしなければならない旨が規定されていますから、1カ月以内を目途に手続きすることが望ましいと思われます。
また、遺言そのものの提出時期ですが、通常、検認期日に申立人が家庭裁判所に持参します。
封印がある場合
自筆証書遺言には封印がなされている場合があります。また、秘密証書遺言は封印が必ずなされています。
民法上、封印がある遺言書は、家庭裁判所において、相続人又はその代理人の立会いの下でなければ、開封できないとされています。
もし、裁判所外で勝手に開封してしまった場合はどうなるのでしょうか。この場合でも、開封した者の相続人としての資格には影響はありません。また、遺言の効力に影響することもありません。
しかし、民法には、家庭裁判所外で遺言書を開封した場合は、5万円以下の過料に処するとの規定ありますから、過料に処せられてしまう可能性はあります。(これは刑罰ではなく前科にはなりません。)
開封は、上記の検認手続きと同時になされます。開封・検認の手続きについても、当事務所にて書類作成しサポートしますのでご安心下さい。