抵当権実行による競売の申立手続について解説。司法書士の書面作成にて対応可。

抵当権を実行する場合、債権者は裁判所に対し競売の申立てを行います。これは、債務者が弁済期に返済を行わず、抵当権者が担保不動産を換価する必要が生じた場合に行われます。

司法書士は、裁判所提出書類の作成権限がありますから、競売の申立書を作成したり、競売による所有権移転登記や抵当権抹消・設定登記申請をする等して、依頼者様のお手伝いが可能です。

抵当権実行による競売の要件と申立て

申立ての要件

競売の申立てには、以下の要件を満たす必要があります。

  1. 抵当権の存在:抵当権が設定されており登記されていること、又は抵当権存在を証する確定判決があること等が必要です。

  2. 被担保債権の存在:抵当権者は、競売申立てに際して、登記事項証明書は判決書などの抵当権の存在を証する書面を提出することで足ります。被担保債権が消滅したことや不存在については、債務者や所有者から、執行異議等によって主張することとなります。

  3. 履行遅滞にあること:抵当権の被担保債権の債務者が弁済期に返済を怠ったことが必要です。ただし、抵当権者が、履行期の到来(債務不履行)を立証する必要はありません。

 

申立ての手続き

競売を申し立てる際には、管轄の地方裁判所に対して申立書を提出します。申立書には、以下の書類を添付する必要があります。

(大阪地方裁判所の例)

  •   登記事項証明書(共同担保目録付)
  • 申立手数料

  • 資格証明書及び住所証明書(当事者の法人登記簿や住民票)

  • 評価証明書又は公課証明書等

  • 意見書・・・期間入札で売却されなかった場合に,それ以外の方法で売却(特別売却)を実施することについて

  • 続行決定申請書・・・目的不動産に,既に公租公課庁による滞納処分による差押がされている場合に提出

  •  目的不動産の各図面(現地案内図、公図、地積測量図、建物図面及び各階平面図 等

裁判所は申立書を審査し、要件を満たしていると認めれば競売手続きを開始します。

 

競売開始決定と執行官の調査

競売開始決定

裁判所が競売の申立てを認めると、「競売開始決定」が出されます。これは、不動産執行を始める旨及び目的不動産を差し押さえる旨を宣言するものです。

 

執行官による調査

競売開始決定がなされた後、裁判所の執行官や評価人が裁判所の指示により対象不動産を調査します。この調査には以下の項目が含まれます。

  1. 不動産の現況調査:建物の有無、利用状況、占有者の確認をします。

  2. 不動産の評価:不動産鑑定士が価値を算定し、売却基準価格を設定します。

  3. 関係人調査:所有者・賃借人・管理会社などの利害関係人の把握をし、関係する権利を確認します。

この調査結果を基に、「物件明細書」「評価書」「現況調査報告書」が作成され、競売に参加する買受希望者に提供されます。裁判所の閲覧室やBITでこの三点セットの閲覧ができます。

 

競売の公告と入札手続

競売の公告

裁判所は、競売の実施日程を決定し、裁判所の掲示板やBITのウェブサイトなどで公告します。公告には以下の情報が含まれます。

  • 売却される不動産

  • 売却基準価格

  • 入札期間

  • 開札日時・場所

  • 買受可能価額 

  •  買受申出保証金 等

 

入札手続

競売には、一般の買受希望者が参加できます。入札には、次のような手順があります。

  1. 保証金の納付:売却基準価格の一定割合(通常2割程度)を事前に納付。

  2. 入札書の提出:購入希望価格を記入し、裁判所に提出。

  3. 開札と最高価買受人の決定:入札期間終了後、裁判所が開札し、最高額を提示した者が買受人となる。

 

売却許可決定と所有権移転

売却許可決定

最高価買受人が決まると、裁判所は適正な価格であるか審査し、問題がなければ「売却許可決定」を出します。決定後、一定期間内に異議申し立てがなければ確定します。

 

代金納付と所有権移転

買受人は、裁判所の指示に従い、売却代金(保証金との差額)を納付します。代金の納付が確認されると、所有権が買受人に移転します。

 

所有権移転登記と抵当権設定登記等

競売物件の所有権を落札者に移転する登記をする必要があります。また、そのための前提として、差押抹消登記と抵当権等抹消登記も必要となります。

これらの登記は、裁判所書記官の嘱託によってなされますが、落札者が融資を受けて競売物件を購入する場合は、抵当権設定登記と連件で申請する必要があります。

その際には、申出書兼指定書(民事執行法82条2項)を裁判所に提出し、上記の登記嘱託書を裁判所書記官から指定の司法書士が預かり、落札者の抵当権設定登記申請書と連件にて、法務局に申請します。

明渡手続

旧所有者や占有者が不動産を明け渡さない場合、裁判所の「引渡命令」に基づき強制執行が行われることがあります。

 

以上が、抵当権の実行から競売完了までの一般的な流れです。

 

抵当権実行や不動産差押えによる競売の申立書の作成や、競売による所有権移転、抵当権抹消・設定の登記は、豊中司法書士ふじた事務所にご相談ください。

(裁判所提出書類作成業務は、司法書士法及び弁護士法で定められた範囲内で行います。)

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