今回は、社会福祉法人の登記や機関設計について、解説して参ります。
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社会福祉法人とは
社会福祉法人は、社会福祉事業を行うことを目的として設立された法人のことを言います。
社会福祉事業には、第1種社会福祉事業と第2種社会福祉事業の2種類があります。
第1種社会福祉事業
原則として、行政又は社会福祉法人しか行うことができません。社会福祉法人以外の者が行う場合は、許可が必要です。(保護施設、(特別)養護老人ホームについては、行政又は社会福祉法人しか設置することができません。)
・特別養護老人ホーム
・児童養護施設
・障害者支援施設
・救護施設 等
第2種社会福祉事業
社会福祉法人に限らず、事業を行うことができます。
・保育所
・訪問介護
・デイサービス
・ショートステイ 等
また、社会福祉法人は、公益事業や収益事業を行うこともできます。
公益事業
・子育て支援事業
・入浴、排せつ、食事等の支援事業
・介護予防事業、有料老人ホーム、老人保健施設の経営
・人材育成事業
・行政や事業者等の連絡調整事業
収益事業
・貸しビル、駐車場、公共的な施設内の売店の経営
社会福祉法人の機関設計
機関設計
平成28年の社会福祉法改正により、社会福祉法人では、評議員、評議員会、理事、理事会及び監事を置かなければならないこととされました。
これらの機関は、必置の機関ということになります。
一方で、特定社会福祉法人(収益の額が30億円を超え、又は負債の額が60億円を超えるもの)では、必ず会計監査人を設置しなければなりません。
なお、特定社会福祉法人ではない社会福祉法人においても、任意に会計監査人を置くことは可能です。
評議員
評議員は、定款の定める方法により選任され、社会福祉法人の役員又は職員を兼ねることができません。
評議員の任期は、原則として約4年で、定款の定めにより約6年に延長することもできます。
評議員の数は、定款で定めた理事の員数を超える数でなければなりません。
評議員会
評議員会というのは、社会福祉法人における最高の意思決定機関になります。
非常に大雑把に言ってしまうと、株式会社での株主総会に相当する機関であると理解して頂いていいと思います。
評議員会は、全ての評議員で組織され、法律に規定する事項及び定款に定めた事項に限り、決議することができます。
理事及び監事
理事及び監事は、評議員会により選任され、又は解任されます。
員数については、理事は6人以上、監事は2人以上でなければなりません。
また、理事及び監事の任期は、原則、約2年となります。
理事会
理事会は、全ての理事により組織され、以下の職務を行います。
・社会福祉法人の業務執行の決定
・理事の職務の執行の監督
・理事長の選定及び解職
理事長
理事長は、社会福祉法人を代表します。
理事長は、理事会により選定され、又は解職されることとなります。
社会福祉法人の登記
登記事項
社会福祉法人の登記記録には、以下の事項が登記されます。
・目的及び業務
・名称
・事務所の所在地
・代表権を有する者の氏名、住所及び資格
・解散の事由を定めたときは、その事由
・資産の総額
設立登記の添付書面
社会福祉法人の設立登記の申請書に添付する書面は、以下のとおりとなります。
・定款
・理事長である理事が就任を承諾したことを証する書面
・理事長を選定した理事会議事録及び理事長の就任承諾書
・資産の総額を証する書面
・所轄庁の認可書又はその認証がある謄本
社会福祉法人の設立登記や役員変更、資産の総額の変更などの登記申請については、豊中司法書士ふじた事務所にご相談下さい。