令和元年司法書士試験まであと3日となりました。受験生の皆さんは、最後の追い込み中だと思います。
そんな中、このコラムを見て下さって本当にありがとうございます。コラムを読むより勉強した方がいいのでは?という議論もありますが、せっかく読んでくださっているので、私の試験本番の体験に基づいた役に立つ情報を、書いてみようと思います。
私は、司法書士試験を国家公務員として働きながら受験していました。いわゆる兼業受験生というやつですね。
ですから、受験を本格的に初めてから合格までは、ン年かかりました。(まあ、残業とかもしながらなので、仕方ないです。)
合格した年の1年前の受験では、0.5点足りずの総合落ちを経験しましたが、その時はさすがに挫けそうになりました。
その分と言っては何ですが、合格した年において受けた模試ではS判定を連発しました。合格する時は、そんなもんです。
で、合格した年の試験本番の2週間前のことです。風呂上がりにトイレに行こうとした私は、足を滑らせすってんころりんと自宅内でコケでしまいました。
その時に、右手を床についたのですが、その衝撃で右手首をひねってしまいました。相当な痛みです。
ヤバい、と思いましたが、司法書士試験はマークシートメインの試験です。解答番号を黒く塗りつぶすくらいはなんとかできそうです。
けれども、記述式試験の練習問題を解こうとしたとき、右手首の痛みで思うように字が書けず、スピードもガタ落ちになっていて愕然としました。
受験生の皆さんならお分かりだと思いますが、司法書士試験(特に午後の部)は、時間との勝負です。(短時間での事務処理能力を問う試験ですからね。)
記述式で素早く字が書けないのは、死を意味します。
私は、慌てて病院に行きました。そして、受験を控えているので何とかして欲しいと医者に訴え、受験まで手首の治療のために何度も通院しました。
治療のおかげもあって、手首は回復していきましたが、完全には治りきらず痛みを伴う状態で本試験の日を迎えました。
私は、病院でもらったシップを手首に貼り、その上にサポーターを装備して、受験に臨みました。そうすることで、痛みが和らぎ、素早い筆記が可能となるからです。
試験開始前の注意事項の説明時に、法務局の試験官が受験票の写真での本人確認に回ってきた時のことです。
試験官は私が手首にサポーターを付けているのを見て、
「受験時に、サポーターの使用は認められていません!」
と言ってきました。私は、ヤバい!と思いました。けれども、とっさに、
「手首が痛くて、書けないんです。不正がないか、サポーターをチェックして下さい!」
と切り返して、サポーターを試験官に差し出しました。
すると、その試験官は、責任者であろう試験官にサポーターを提示し、チェックがなされました。そして、無事、サポーターの使用が認められました。
もし、サポーターの使用が認められていなかったら、私は時間切れで不合格になっていたかもしれません。
試験本番では何が起こるか分かりませんが、あきらめずに試験官に食い下がる姿勢も必要かもしれませんね。
このエピソードが、受験生の皆さんの何かのお役に立てれば幸いです。