その賃貸借契約はいつまで続いている?更新の有無に注意!

今回は、賃貸借契約を一度結ぶと、法律上いつまで続くのか?期間の設定や更新の有無について解説します。

 

民法と借地借家法の適用関係

皆さんが日常生活の中で賃貸借契約を締結する場面は、マンションやアパートを借りたり、駐車場を借りたりするケースがほとんどなのではないでしょうか。

最初に契約した賃貸借契約が続いているのか、終わっているのか、あまり意識されていないかもしれませんが、かなり重要な事です。

もし、賃貸借契約が終了してるにもかかわらず、その土地や建物を使っているとなると不法占拠になってしまいますので、しっかり把握されることをお勧めします。

 

まず、法律の適用のルールについて簡単に説明すると、賃貸借に関しては、原則として民法の規定が適用されることになります。

次に、建物を所有するために土地を借りるなどしたり、建物の賃貸借をしたりする場合には、借地借家法という特別な法律が適用となります。この借地借家法は、民法に優先して適用がありますので、要注意です。

以下、ケース別に賃貸借契約の期間や更新の有無について、解説していきます。

 

青空駐車場などの賃貸借の場合

期間設定の上限

青空駐車場などの建物の所有を目的としない土地の賃貸借の場合は、原則通り、民法の規定が適用されることとなります。

民法では、賃貸借の期間は20年以下と定められています。つまり、貸主と借主の間で合意したとしても、20年を超える賃貸借契約はできないということになります。

もし、20年を超える賃貸借契約を締結してしまった場合は、期間が20年に引き直しをされることとなります。

 

では、20年を超える賃貸借をするためには、どうしたらいいのでしょうか。

期間満了の度に新たな契約を締結する方法か、期間について更新をする方法のいずれかの対応になると考えられます。

なお、令和2年4月1日施行となる改正民法では、賃貸借の期間の上限は50年に変更となります。

 

更新の推定

民法の規定に従えば、賃貸借の期間が満了した後に、借主が使用収益を続けている場合で、それについて貸主が異議を述べないときは、以前と同じ条件で更に賃貸借契約をしたものと推定されます。

つまり、青空駐車場を借りていて、契約書の期間が切れている場合でも、契約はなお続いていると判断されるケースは相当多いということです。

この更新の推定がされた場合、貸主又は借主は、いつでも賃貸借の解約の申し入れをすることができます。青空駐車場などの場合は、解約申し入れから1年後に、契約終了となります。

 

マンション・アパートなど建物の賃貸借の場合

期間設定の上限など

建物の賃貸借の場合は、借地借家法の規定が民法に優先して適用となります。

借地借家法の規定に従えば、建物の賃貸借の場合には、上記の20年(改正後は50年)という賃貸借の期間の上限は適用がありません。つまり、上限はなしということです。

 

次に、期間を1年未満に設定した建物賃貸借契約は、期間の定めのない賃貸借とみなされます。

期間の定めがないということは、借主はいつでも賃貸借の解約申し入れをすることができるということです。この場合、申し入れから3カ月で賃貸借は終了します。

貸主からも、いつでも解約申し入れはできますが、解約が認められるためには、正当事由が必要になりますので、一気にハードルが上がります。

この正当事由というのは、貸主が建物の使用を必要とする事情やこれまでの経緯、建物の利用状況や現況、立ち退き料の申し出などによって判断されますが、一律に判断するのは難しい面がありますので、詳しいことは司法書士などの専門家にご相談下さい。

 

自動更新について

建物の普通賃貸借

建物の賃貸借の場合は、原則として、期間満了の1年前から6カ月前までの間に、更新をしない旨の通知又は条件変更しなければ更新しない旨の通知をしなければ、従前と同条件で契約が自動更新されます。(下記の定期賃貸借の例外はあります。)

この自動更新は借地借家法に基づいて効力が生じるもので、これに反するような、借主に不利な特約をしても無効となります。

つまり、皆様がアパートやマンションを借りて、その契約期間が満了していたとしても、契約は自動更新されていて、なお続いているというケースは相当多いと思われます。

上記の自動更新がされた賃貸借契約は、期間の定めのないものとなります。期間の定めがない賃貸借の解約申し入れについては、上記「更新の推定」の項目で説明したとおりとなります。

 

建物の定期賃貸借

上記の自動更新が起こらない例外として、定期賃貸借があります。

定期賃貸借は、期間の定めがある建物賃貸借契約を書面で締結する場合には、上記の自動更新がないという特約を定めることができるものになります。

定期賃貸借契約を締結する際は、あらかじめ、借主に対して、この契約には自動更新がなく、期間の満了により契約が終了する旨を記載した書面を交付して説明しなければなりませんので、要注意です。

皆様がマンションやアパートを借りる際の契約書の題名が「定期建物賃貸借契約」であるような場合には、自動更新がなく、期間満了時に出ていかなければならなくなるおそれがありますから、十分注意して下さい。

 

土地や建物の賃貸借契約書の作成や更新の有無の判断などについては、豊中司法書士ふじた事務所にご相談下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

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