相続させる旨の遺言と遺言執行者による相続登記申請

今回は、相続させる旨の遺言と遺言執行者による相続登記申請について、解説して参ります。

 

ご相談の事例(遺言執行者による相続登記申請はできるか)

豊中市在住の40代男性であるXさんから、次のようなご相談を受けました。

Q:私の母が今年の3月に亡くなりました。母は、遺言を残しており、自宅の土地建物を私の兄である長男Yに、全ての預金を次男である私に相続させる、という内容でした。また、遺言執行者には、私Xが指定されておりました。

このような場合、自宅の土地建物の登記手続きは、兄であるYがすべきなのでしょうか?それとも、遺言執行者である私がすべきなのでしょうか?

 

A:お母様が亡くなったのが今年の3月ということは、遺言はそれ以前に作成されいますから、改正前の民法が適用になり、自宅の相続登記は兄であるYさんが申請することになります。

 

相続させる旨の遺言と遺言執行者による登記申請

遺言の内容が、「・・・を・・・に相続させる」というような記載になっていた場合、これは、法律上、遺産分割の方法の指定であり、被相続人の死亡と同時に、その遺産が相続人に承継されるという効果が生じます。

上記のような遺言によって所有権移転登記を申請する場合、登記原因は「相続」となり、遺言の対象となった遺産を取得した相続人が、単独で申請することができます。

このような場合には、遺言執行者の職務が必要とならないことになりますので、上記のような相続登記申請は遺言執行者からは行うことができないと判例により判断されていました。

 

相続法改正による遺言執行者の権限の変更

令和元年7月1日施行の民法(相続法)改正により、「相続させる」旨の遺言についても、法定相続分を超える相続分について、登記を第三者対抗要件とする改正がなされ、登記の重要性が高まりました。

これを受け、改正民法では、「相続させる」旨の遺言がされた場合に、遺言執行者に対抗要件の具備(登記申請等)に必要な行為をする権限がある旨が明文化されました。

この改正は、令和元年7月1日以降に作成された遺言に関して適用されることとなっています。

 

遺言執行者による相続登記申請

令和元年7月1日以降に作成された「相続させる」旨の遺言については、上記のように、遺言執行者により相続登記申請ができることになります。

つまり、登記申請の委任状に署名押印をするのは、遺言執行者だけでよくなるということです。

 

現時点(令和元年12月27日)では、今年の7月1日よりも前に作成された遺言による相続登記がほとんどですから、この場合の登記申請の委任状は、遺産を「相続させる」遺言によって取得する相続人の方から署名押印を頂くことになります。

 

遺言の作成や遺言による相続登記や遺贈登記の申請は、豊中司法書士ふじた事務所にご相談下さい。

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