公共事業での立ち退きは必ずしなければならないのか?元国交省職員が解説!

今回は、公共事業での立ち退きは絶対しなければならないのか?という疑問にお答えしたいと思います。

国土交通省の公共事業

私は、国土交通省四国地方整備局で約9年間、公共事業のための用地取得事務、つまり立ち退き交渉の仕事に携わっていました。

国土交通省の各整備局での公共事業は、大きく道路事業と河川事業に分かれます。

道路事業では、高規格道路やバイパスを通す事業、現道の拡幅、歩道整備や防災事業などの事業で用地の取得が必要となります。

河川事業では、堤防の新築・改築や引き堤事業などで用地の取得が必要となります。

 

もし、あなたが住んでいる自宅が上記の公共事業のために、立ち退きとなったら、あなたは何を思われるでしょうか。

 

公共事業は、通常、以下のような流れで進んでいきます。

・地元での事業説明会

・幅杭打設

・用地説明会

・用地調査(境界確認・測量、建物等調査)

・用地交渉(補償金提示、交渉)

・契約締結

・前金の支払い

・建物等取り壊し

・後金の支払い

・工事着手

このように、地元では少しずつステップを踏んで、調査・用地交渉が進んでいくことになります。

 

任意の立ち退き交渉と土地収用法による強制収用

国の公共事業(特に大型の事業)では、9割以上の地権者の方が任意の契約に応じて、立ち退きをされます。残りの1割未満の方は、土地収用法に基づく強制収用の対象となります。

土地収用手続きが採られると、地権者の意志に関わらず、起業地は国のものとなり、それでも立ち退きに応じない場合は、建物の取り壊しは行政代執行の対象にさえなります。(代執行がなされるとニュースになったりします。)

 

この土地収用権というのは、認定庁(整備局の事業の場合は、国土交通本省)から事業認定を受けることにより、公共事業の起業者に付与されます。

つまり、裏を返せば、事業認定を取る予定のある事業かどうかで、地権者の方々が強制立ち退きになるのかどうかが決まるということです。

国が直轄で行うような大規模な公共事業では、通常、事業認定を取るという前提で工程が引かれます。つまり、いずれは強制立ち退きになってしまう可能性が非常に高いということです。

土地収用法による強制収用で支払われる補償金は、任意での交渉に応じた場合の補償金より少なくなってしまうため、任意の交渉に応じるのが得策ではないでしょうか。

 

一方で、歩道整備や交差点改良、防災事業などの、小規模な公共事業の場合、必ずしも事業認定を取得する訳ではありません。

しかし、このような小規模な公共事業は、正に地元の方の命を守る公共事業であることが多いため、こういった事業でこそ、地権者の方の協力は必須であると思います。

個人的には、人口減少社会に入った今、バイパスを通すような事業ではなく、歩道や防災など小規模な命を守る事業でこそ、事業認定が付与されるべきと考えています。

 

正当な補償を受ける

もちろん、法に基づく強制収用は憲法で保障されている正当な補償がなされなければ、行えないものです。

地権者の皆様におかれましては、個別の補償金の多寡や生活再建には色々なご不安があろうかと思います。

 

公共事業による立ち退きや、補償金のこと、土地収用のことなどでお困りごとがありましたら、豊中司法書士ふじた事務所にご相談下さい。

 

 

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